介護保険が導入されてから、いろいろな種類の介護施設や介護サービスが生まれました。高齢化社會の中で認知癥の癥狀を持ち、自宅で生活することが難しい高齢者に対して始まった介護サービスが「認知癥対応共同生活介護(以下グループホーム)」です。年々グループホームを利用する高齢者は増えています。
この記事では、グループホームはどの様な場所で、どんなサービスが提供されているのか。また、費用はどれくらいかかるのかなどを詳しく記載します。
1.グループホームとは?
2.グループホームで提供されるサービス
3.グループホームの設備
4.グループホームに入所するメリットとデメリット
5.まとめ
認知癥の癥狀は様々あります。日中や夜間など時間を問わず徘徊して目を離すことができなくなったり、暴言が出てしまったり、被害妄想を起こしてしまったりと、大切なご家族ではありますが、介護する側がこれらの癥狀に付き合い続けるのは體力的にも精神的にも厳しいものがあります。
また、介護する人間が身近にいないなど生活自體が難しいケースもあります。そんな時に最初に名前が挙がってくるのがグループホームです。
グループホームは、認知癥を診斷された高齢者を対象に、少人數で生活する場所です。認知癥の人は大勢で共同生活を送ることは難しく、利用人數を5人から9人までの1ユニットとして、小規模な共同生活を送ります。環境や人が変わるとパニックに陥りやすいので、同じご利用者に固定することで落ち著いて過ごすことができます。
対象となる人は認知癥の癥狀がある65歳以上の人で、要支援2または要介護1以上の要介護認定を受けた人です。認知癥とはアルツハイマー型認知癥や脳血管障害などで、日常生活を送るのに支障が出る程度の記憶機能や、認知機能が低下した狀態です。認知癥であることをかかりつけの醫師から診斷される必要があります。
入居にかかる費用は、運営している會社や社會福祉法人によって違うため一概にそうとは言えませんが、入居一時金と保証金と言われる初期費用が必要となります。この初期費用がいらない施設から、數百萬円と大きく金額の差があります。おおよそ100萬円くらいまでが一般的な価格となっています。これは、アパートなどを借りる時に必要な敷金のようなものなので、退去するときに返金されます。ですが、入居期間によって償卻される施設もあるため、入居検討先に確認することが必要です。
入居後は、基本利用料として介護度と事業形態に応じた一日あたりの金額759円から880円と、そのほかにも自己負擔額として入居費用?光熱費?食費?おむつやパットなどの日用品費がかかります。そのため、月額10萬円から20萬円が必要となります。都市部などはプラス5萬円から10萬円した程度になるでしょう。
加えて、個人の散髪代金や新聞?雑誌などの嗜好品は別に負擔しなければいけません。
グループホームでは、認知癥の癥狀が見られるご利用者に対して、共同生活を通じ日常生活の援助と機能訓練を行っています。そのため、ご利用者の持っている能力に応じて、自立した日常生活を送れることを目標にサービスを提供しています。
認知癥について正しい知識を持った介護職員による見守りや介助を行っています。食事?掃除?選択などの生活援助から、排泄や入浴など身體介護も行っています。より家庭に近い狀況で援助することで、認知癥の癥狀を和らげることが目的です。介護職員はそのほかにも、醫療処置などは行えませんが緊急時の対応も行います。
提供される生活援助?介護サービス | |
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?食事の提供 | ?掃除や洗濯 |
?見守りおよび生活相談 | ?レクリエーション |
?食事介助 | ?入浴介助 |
?排泄介助 | ?著替えの介助 |
施設によって異なる援助 | |
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?機能訓練(リハビリ) | ?買い物の代行援助 |
原則的に、醫療面のケアは行っていません。グループホームの人員基準には醫師や看護師の設置義務がないからです。ですが施設によっては、看護師が常駐している場合や、訪問看護ステーションなどの事業所と契約し、定期的な健康管理などを行っている施設もあります。
ご利用者の狀態が入居時から比べて悪化し、醫療的なサポートが必要になった際には醫療機関への入院が必要となります。長い間入院しなければいけない狀態になった場合は、退去しなければいけないケースもあります。
數多くある介護施設の中で、グループホームは家庭的な雰囲気の環境づくりを行っている施設が多く見られます。1つのユニットに、居室?浴室?トイレ?食堂や共有スペース?機能訓練室などが設けられているのが基本的な構造となります。
認知癥のご利用者にとって、入居に伴う環境の変化は大きなストレスを感じます。大きなストレスを感じることで、認知癥狀の一時的な悪化を引き起こします。ですので、施設の設備についていろいろチェックしたいポイントがあります。
?ご家族やほかの地域住民との交流を図る機會が確保できる地域にあること。
?病院や入所施設が近くにないこと。
?1ユニットのご利用者數は5人から9人であること。
?事業全體で最低4人以上いること。
?居室の近くに、ご利用者同士の交流ができる食堂やリビングなどの設備があること。
?ユニットごとに臺所?洗面所?トイレ?浴室が上限10名としてあること。
?基本的に、居室は1人用の個室であること。
?居室面積は、収納設備などを除いて7.43平方メートル(約4.5帖)以上あること。
グループホームは全國に數多くあります。一概に同じようなサービスで同じような運営方針とは言えません。施設の方針や考え方がどのように異なるかを理解し、判斷するにはどうすればよいのでしょうか。施設がどのような設備を持っているかによってグループホームを運営している経営側の考え方を知ることができます。
グループホームへの入居を希望するご利用者が、どのような生活スタイルで生活していたかなど、ご利用者の住み慣れた住環境をどこまで再現することができるのかが判斷する基準になってきます。
今までご利用者はベッドで寢ていたのか、それとも布団で寢ていたのか。また、居室は和室?洋室だったのかなどです。
認知癥狀の見られるご利用者は、グループホームに入所をした後に、帰宅願望が強く見られたり、一時的に認知癥狀の悪化が見られたりします。誰にとっても自宅が一番安全して過ごせる場所であるため仕方のないことです。グループホームでは、居室には自分の家具など自由に持ち込むことができます。住み慣れた自宅を再現できることで、ご利用者の不安を減らし精神的な安定に繋がるからです。ですので、このような配慮が施設側でされているかを知ることで、施設運営方針や経営者の考えを知ることができます。
グループホームと同じように認知癥のご利用者を受け入れている施設はほかにもありますが、グループホームだからこそのメリットやデメリットがあります。
グループホームは認知癥狀のある高齢者が対象の施設なので、認知癥について知識や技術のあるスタッフが24時間常駐しています。そのため、不穏癥狀などが見られても適切な対応を行ってくれます。
また、人數が少人數でご利用者の顔ぶれも変わらないため、急な変化に対応が苦手な認知癥のご利用者がストレスを感じることなく過ごせます。
ほかにも、食堂やリビング、浴室などの共有スペースがあることで、ほかのご利用者や介護職員とのコミュニケーションを取りやすく、家庭的な雰囲気の中で生活できます。その中でも居室が個室なところが多いので、プライバシーの確保ができます。
グループホームは介護保険上、市町村より事業者の指定を受けなければ開設することができない施設です。ですので、人員基準や設備基準が定められているので安心して利用ができます。
少人數で利用できるからこそ、定員に空きがない施設も多く見られます。そのため入居までに時間がかかることがあります。
提供されるサービスは、醫療的なケアには特化していません??醋o師や醫療関係の職種の配置義務がないためです。認知癥の援助を受けた上で、さらなる醫療的な処置が必要であったり、ある程度自立した日常生活を送ることができなくなってしまったりしたら、退去しなくてはいけないこともあります。
認知癥の高齢者にとって、グループホームは第2の家です。この記事を一読いただき、グループホームについてどのような施設か理解を深めていただけたら幸いです。
參考になったという方は、ぜひシェアをよろしくお願いいたします。
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